骨と関節について知ろう

大腿骨頭壊死について

大腿骨頭壊死は、骨盤と下肢とをつなぐ関節である股関節の病気です。
股関節は骨盤側の窪み(臼蓋といいます)に、大腿骨の上端の球形をした部分が、はまりこんでできています。

この球形部を大腿骨頭といい、この骨の一部または全部が死んでしまう病気が大腿骨頭壊死です。骨が死ぬというのは骨の細胞が死ぬということですが、骨の細胞が死んだからといってすぐに骨が壊れるわけではありません。
症状は主に骨が壊れた時に起こりますので骨折と同じような急激な発症がみられます。 つまり、骨が壊れ、骨頭の球形性が失われデコボコしてくると、臼蓋との噛み合わせがあわなくなり、強い痛みをおこすことになるのです。

20~50才台に発症する原因不明の病気ですが、ステロイド剤という薬の使用歴かアルコールの多飲歴があると発症しやすいことがわかっています。

治療は、球形の骨頭のうちどれだけの範囲が死んでいるかによって変わります。死んでいる範囲がわずかであれば、生き残っている部分が体重を支えてくれるので、放置しておいても骨は壊れないでしょう。また死んでいる範囲が全部であれば、人工関節にしなければなりません。これらの中間の場合、骨頭の変形を防止するための手術を行うことになり、主に大腿骨の骨切り術が行われます。
股関節外科の専門医がいる整形外科を受診されることをお勧めします。