骨と関節について知ろう

変形股関節症による股関節の痛み

股関節は骨盤と大腿骨(ふともも)とをつなぐ関節です。この関節が痛くなる病気にはどんなものがあるのでしょうか。
最も多いのが、股関節のかみ合わせが浅い状態があって(臼蓋形成不全といいます)、年とともに少しずつ関節がすりへっていく変形性股関節症という病気です。

臼蓋形成不全は女性に圧倒的に多いため、変形性股関節症も女性に多い病気です。最初は、”長く歩いた後に下肢全体がだるい”とか”左脚だけが疲れやすい”などの症状が出てきます。年を経るにしたがって、これらの症状が痛みに変わってきて“無理をすると脚の付け根が痛くなる”と訴えるようになります。

この病気の治療は早期であれば、臼蓋形成不全の程度 によって変わります。程度が軽ければ筋力訓練や日常生活の指導をし、悪化を防ぎます。肥満は下肢の関節にとって一番の大敵なので、食生活に気をつけたり、長歩きを避けるためになるべく交通機関を利用してもらいます、スポーツも、ゴルフや登山など長時間歩くものは避 けた方がよいでしょう。同時に年一回のレントゲン検査を続けていき、悪化していくようであれば手術を勧めることになります。

臼蓋形成不全の程度が重ければ、できるだけ早期に股 関節を正常のかみ合わせに近づけるよう手術をすることになります。手術の時期を逸して病気が進みすぎると、 正常に近づける手術ができなくなり、人工関節をいれなければならなくなります。
簡単な診察とレントゲン撮影のみで診断できます。20代から330代に発症することが多いので、この年代の女性で思い当たる症状のある方は整形外科を受診されるのがよいでしよう。